佐藤芳嗣法律事務所

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霊感・霊視商法 ー騙されないためにパート2ー

はじめに

霊界や因縁話を持ち出し、人々を不安に陥らせ多額の金員を騙し取る商法が霊感商法や霊視商法です。人によって程度の差があるものの人間は誰でも非科学的な迷信に弱いのです。多くの人が占いや易、血液型による性格判断、霊界や因縁話など科学的には根拠がなく迷信と思われる事柄に日々惑わされながら生活しています。霊感・霊視商法というのは、このような迷信や不合理なことを信じて不安に陥る人間の弱さを巧みについて暴利を貪る詐欺商法であり悪徳商法の典型です。

霊感商法の手口

霊感商法として広く知られ、被害の大きいものがある宗教団体による数百万円もする壺・多宝塔・印鑑・人参茶などの販売です。
突然あなたの自宅にこの宗教の信者となった若い女性が訪ねてきます。そして「無料で手相を見てあげます。」「今あなたは悩みがありますね。」と言い出します。人間は生きている限り悩みのない人などいません。しかし、その時あなたが家族の問題や仕事の問題などで悩んでいることを告げると、「やはりそうですか。たまたまこの地に偉い先生が来ています。運良くあなたに会ってくれます。めったに会えない偉い先生ですから会いに行きましょう。」と誘います。そして,霊場と呼ばれている薄暗い部屋で「あなたの不幸はあなたの先祖に武士がいて人を殺したり傷つけた因縁のせいです。このままではあなたの子どもが早死にして家が滅びます。子どもを救うにはあなたが出家しなければなりません。それが無理なら霊験あらたかな壺を授かりなさい。」などと言われます。このように言われると多くの人は不安になります。そして、原価の数百倍もする壺や多宝塔を購入させられるのです。中には供養料の名目で莫大な献金をさせられる人もいます。

霊視商法その他

無料の手相鑑定や霊視鑑定をうたい文句に多数のビラを配布し大勢の人を集めます。手相を見たり悩み事を聞いたりするうちに「水子の霊や先祖の霊があなたに取り憑いています。このままではあなたやあなたの家族が不幸になります。霊を取り除くことが必要です。祈祷が必要です。」と言われ、気が付いたときには高額の金銭を支払わされています。
霊感・霊視商法に類似する悪徳商法として足裏診断をうたっていた法の華三法行の事件がありました。足裏診断士なる人が人の足裏を見てその人の人生や先祖を判断し、今後の運命を占うと言うのです。ここでも足裏診断に先立って被害者は悩みを聞かれます。足裏診断士は、「あなたは相当血液を汚してきたね。このままだと癌になるよ。」などと言ったそうです。不安に陥った被害者に対し悩みや不安を解決するには「法の華三法行の研修に参加する必要がある。そうしないと命を取られる。」などと言ったとのことです。この研修費用は100万円程度に減額することもあったそうですが、原則は225万円だそうです。この事件は、代表者だけでなく多くの幹部が詐欺事件として裁判を受け有罪になっています。

信教の自由との関係

霊感商法は宗教が関係していることが多くそれだけにやっかいなところがあります。マインドコントロールされている信者は、宗教団体の手足となり霊感商法を主観的には良いことだと思ってしているのです。詐欺商法だといって霊感商法を告発すると宗教団体は「宗教の自由を侵害する。自由意思によって買った。宗教活動への弾圧だ。」と抗弁します。しかし宗教の自由の名の下に詐欺や脅迫が許されることはあり得ません。霊感商法の本質は迷信深い人間の弱みにつけ込んだり、詐欺や脅迫を手段とする悪徳商法そのものなのです。

救済

信教の自由は認められます。裁判所は、宗教団体の教義の内容や信仰そのものについては裁判の対象にしません。しかし裁判所は、霊感商法が暴利行為であったり、詐欺や脅迫に該当したり、人々の不安・困惑に乗じて不当な献金を迫ったことが公序良俗に反すると判断できる場合は被害者を救済しています。
 高額な壺や印鑑を買ってしまった場合どうしたらよいのでしょうか?まず、購入後8日以内ならば無条件に契約を解除できます。8日が過ぎても商品名が不明確であったり、法で決められた書面の交付がない場合などは、いつでも売買契約の解除ができます。これらの契約解除をクーリング・オフと言います。
お金を払ってしまった場合はどうしたらよいのでしょうか?この場合は消費者センターや弁護士に相談してください。相手と交渉し損害を取り戻す必要があります。場合によっては裁判を提起する必要もあります。
しかし、多額のお金を支払ってからそれを取り戻すことは大変です。ですから霊感・霊視商法に引っかからないことが大切です。多額のお金の話が出てきたらよく考えてください。高価な壺、多宝塔、印鑑を買ったからといって救われることはないのです。経験的事実は、多額のお金を失い家族から馬鹿なことをしたと責められかえって不幸になるというものです。